2013/2/27

[She ye,ye]

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http://www.sheyeye.com/?pid=55832768

ARTIST : Philip Perkins
TITLE : King Of The World
LABEL : Fun Music US

映像と音楽を交えたThe Residents最初期の実験に携わり、テレビやラジオといったオーディオビジュアルの分野で活躍する傍ら、映像作家や現代バレエと共演しながら現在もマルチメディアな創作を続ける端境の住人Philip Perkins。名盤揃いの作品の中で異彩を放つ問題作がこの83年作。作為的お手軽感に満ちた環境音のサンプリングとホームメイドな質感のオルガンやシンセサイザーによる、古代マヤ文明の世界を表したというイマジナリーサウンドスケープ。この歴史の重厚さをちょび~っとも感じさせないカラっぽのエキゾチズム!箱庭的って云うかほとんどジオラマ見てる気分。天才!


"King of the world" by Philip Perkins - side a (baby3)

"King of the world" by Philip Perkins - side b (baby 4)


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http://www.sheyeye.com/?pid=55841129

ARTIST : Nestor Figueras, David Toop, Paul Burwell
TITLE : Cholagogues
LABEL : Bead Records UK

General StrikeやThe Promenadersといった、ぶっちぎり過ぎて周回遅れのケツに追いついちゃったような数々の名企画を生み出したDavid Toop、体を張ったパフォーマンスで畏れられる特殊打楽器奏者Paul Burwell、舞踏家Nestor Figuerasという編成で行った77年の公演を収録した作品。リリースしたのは英国ポストフリー最重要レーベルBead Records。レコードのラベル面には古代の壁画を想わせるモチーフがたくさん描かれていますが、なるほど目を瞑って耳を澄ますと古代人の原初的音楽衝動が聴こえてきそうな、アニミスチックな気配に満ちた即興空間。David Toopのもうひとつの古代音楽盤『Whirled Music』と併せて聴きたい一枚。大推薦盤!


Figueras Toop Burwell - Cholagogues


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http://www.sheyeye.com/?pid=55838647

ARTIST : Eduardo Polonio
TITLE : Cuenca
LABEL : Nuevos Medios Spain

Luis De Pabloやアルゼンチン出身のHoracio Vaggioneらとスペインで最初のエレクトロアコースティックグループAlea-Musica Electronica Libreを結成するなど、スペイン産電子音楽の創生から活躍する電子音楽家Eduardo Polonio。69年から86年の間に録音された音源を88年に作品化したもの。Horacio Vaggioneの名作『歌う機械』を想わせる、からくりめいた機械仕掛けの歌『Flautas, Voces, Animales, Pajaros, Sierra,...』、むき出しの機械を想わせる底抜けなエネルギーとツルツル~っとした軟体生物みたいな感触とが同居する69年(!)の変態テクノミュージック『Para Una Pequena Margarita Ronca』など全4曲収録。大傑作!



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http://www.sheyeye.com/?pid=55844156

ARTIST : R.T.C.
TITLE : Seropositive
LABEL : Futuremusic Netherlands

オランダ地下音楽シーンをぶっちぎるDe Fabriekに見出され、86年にDe Fabriekとのスプリット7inchでデビューしたThe Rocking Teenage Combo略してRTC。零細レーベルから87年に発表した作品。エグ~い工業系ボディミュージックを、ぽんこつな電子楽器やマリンバ、テープ、サンプラーも織り混ぜた宅録的工作センスで料理した全12曲収録。寄る辺ない攻撃的エモーションをみなぎらせつつ、ザッパのカヴァーなんかも披露しちゃう並はずれた知的脱線っぷり!スイスのUnknownmiXなんかのとっぽい感じが好きな人にもオススメ。パンツ一丁で抱擁してるジャケもとってもラブリー。大推薦盤!


[newtone]
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http://www.newtone-records.com/index2.php?id=n_t0048375

artist : ROEDELIUS
title : Selbstportrait
label : BUREAU B (GER)

アンビエント、そしてその後のエレクトロニカの元祖、ドリーミーでメランコリック・エレクトロニクスお爺さんロデリウスの当時Sky Recordsからリリースされていた1979年の代表作である「Selbstportrait」シリーズの第一弾(3枚目のソロ)のリマスタリング180g高音質重量盤リイシュー。
CLUSTER、HARMONIA、ENOとのでの活動や作品でも知られるロデリウスがほぼ自身のシンセとエレクトロニクスのみの多重録音で、1973-1977年の間に、まるで禅問答のように自問しているかのようにスケッチし作り上げた、おだやかで静かなるエレクトロニクス桃源郷的作品集。チャカポカとした数曲のリズムマシーンの鳴りも大変心地よい。全11曲。sampleはそれぞれ2曲。 (コンピューマ)


Roedelius -- Prinzregent

Roedelius -- Uebern Fluss

Hans-Joachim Roedelius - In Liebe Dein

Hans Joachim Roedelius - Girlande



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http://www.newtone-records.com/index2.php?id=n_t0057801

artist : THE DURIAN BROTHERS
title : Cubs EP
label : DISKANT (GER)

KraftwerkNEU!Mouse on MarsやAndy Vaz等を輩出した町、デュッセルドルフの実験ミニマル・サウンド。
THE DURIAN BROTHERSは、デュッセルドルフ市立美術館にあるクラブ、「Salon des Amateurs」にて生まれており、ここと同名のアルバムも出したHAUSCHKAとも共感覚の実験的姿勢で、まだ見ぬ独自のミニマリズムを追求している。レコードを使用しないプリペアード・ターンテーブルを4台用い、リズムとノイズを発生させる2人のDJと、最近はHARMONIUS THELONIUS名義でのアフロ・ドラム〜ポリリズムの探求が面白いAntonelliことSTEFAN SCHWANDERがエフェクト・ボードなどでまとめ上げ、いとも不思議なグルーブをうねらせるコトの出来るエクスペリメンタルトリオ!通算三枚目となる"Cubs EP"。まず90/180のダブルBPMがひたすら続いていく、シャックルトン諸作にも通づる高速パーカッシブなトライバル・ステッパー"Heat"に始まり、スローモーでインダストリアルなビート、竹笛みたいな音で展開も上手く作ったB1"Girigiri"など、エフェクティブに迫るビートが素晴らしい。最後には、ひくいドローンとランダム・クリックが横たわった"Ferme Intention"と、三様に豊富なグルーヴを用意しています!是非ナマで体感してみたいですね〜(→http://vimeo.com/20872271)。1920年代の薬の模式図版からとったというジャケの絵にも、吸い込まれそうですね。 (DNT)

↓別作品だがこれも素晴らしい

The Durian Brothers - Inside Palace